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【人間の領域】

【人間族】

​ この世界の現在の支配種族。鉄の民、牙の民、根の民の3種類が現存し、季節の街や村、郷などの文明を築き暮らしている。4種類目の人間として「宙の民」と呼ばれる人々が名前のみ伝わっている。

【鉄の民】

 進化を追求する人々。容姿は凡庸で、髪色は黒、茶、金髪やブロンドなど、原始的なもののみ発現が確認されている。染髪の技術もあるが未発達で、取り分け銀や白のような明るい髪色は未だ実現していない。

 モノづくりや建築を得意としており、最低限の資材から様々なツールなどを生成する「クラフト」に最も適正がある。

 人間3種族の中で唯一、魔法の使用に詠唱や特殊な装具の使用を必要とする。この事例は人間以外の知的種族を含めても少ない方である為、他種族との戦闘に魔法が絡んでくると必然的に不利であった。格闘術や戦略を磨いたりする一方、魔法の発動を短縮する装具や様々な武器などの開発が推し進められ、そこで得られた技術や研究開発のノウハウは今日の製作技術にも生かされている。現在人々が使っている道具の大半は、こうした経緯によって生み出されたものである。

 民の魔力の性質は「変換」であり、「魂素(こんそ)」または「エレメント」と呼ばれる。魂素と書いてエレメントとルビを振ってもいい。生まれ持つ魔力を詠唱や装具によって外界に引き出し、様々なものに変換して行使する。その性質上、鉄の民の魔法は「元素魔法」と呼ばれる。魔力を何に変換出来るのかは人によって異なり、その変換先によって以下のように呼び分けられる。

・プラスの振動、光源 → 炎あるいは光

・マイナスの振動、流体 → 水あるいは氷

・運動エネルギー → 風

・個体 → 土

・生体に影響を及ぼす高出力のエネルギー → 雷

・霊的エネルギー(精神や魂へ干渉する)→ 闇

【牙の民】

 己の勇気に従う人々。イヌやネコなど人間以外の獣(哺乳類)の特徴を持ち、髪色や瞳の色もそれに伴って鉄の民よりも種類が豊富。

 表出する獣の特徴は「伝素(でんそ)」または「ジーン」と呼ばれ(伝素と書いてジーンと以下略)、血筋が大きく影響する。また、本人の生態にも影響を与え、シロクマの伝素を持つ者は寒さに強かったり、フクロウの伝素を持つ者は夜目が利いたりする。伝素によっても異なるが肉体は早ければ10代前半で成熟し、外見と年齢が釣り合わない者が多い。魔力に非常に敏感で、大半は齢ひと桁の頃から五感の一切に頼ることなく他の生き物の所在を感知出来る。人によっては五感で魔力を知覚することができ、訓練を重ねれば、巧妙に隠された魔法を暴き、その構造を見抜くことも可能。

​ 名前に「ミア」「ラル」などの短いミドルネームが必ず入るのが特徴。「血号(けつごう)」と呼ばれ、多くは直近の親族から受け継ぐが成長すると自分で新たに名乗る者も多い。自分がその血を以て生きていることの証明であり、名乗りの際にこれを省くことは、自分に関わる全てを放棄し相手に隷属することを意味する。

 民の魔力の性質は「肉体」。端的に言えばレベルを上げて物理で殴る系魔法が主流。魔法は身体機能の延長であるという捉え方をされており、必要に応じて腕力や視力を強化したり、自分が感じたニオイを視覚化して他の者に情報共有したり、といった使い方をされる。その性質上、術者の身体から遠く離れて魔法が発現することは無いに等しい。

【根の民】

 違いを何より貴ぶ人々。体に樹木や草花の特徴を持ち、容姿は3種族の内で最も華やか。多くの場合、頭や腕に花が咲いたり皮膚の一部が樹皮化したりする。表出する植物の特徴は「宿素(しゅくそ)」または「モチーフ」と呼ばれ、まさにその人の人生のモチーフとなる。血筋は関係せず、バラ科の宿素を持つ母からシダ植物の宿素を持つ子供が生まれる場合もある。宿素の表出は先天的なものと後天的なものに分かれ、前者は「カルマ」後者は「フォーチュン」と呼ばれる。人口はフォーチュンの方がやや多い。宿素がその人に与える影響は大きく、特にカルマの場合は植物が生えている人間というよりは人間の形をしている植物とまで言われる程に、体質が宿素に左右される。樹木系の宿素を持つ者は鉄の民より長生きだったり、草花系の宿素を持つ者は水と日光と必要最低限の栄養さえあれば生きて行けたり、状況次第では本当にキス1つで子供が、なんてこともある。

 簡単に子供が生まれる反面非常に打たれ弱く、環境の急変や食べ過ぎなどであっさり死んでしまう。また精神的なストレスにも弱く、びっくりしては死んで悲しみに暮れては死ぬ。そして復活する。

 民の魔力の性質は「個性」。宿素や個人の生活環境、更には思想などによっても扱うことのできる魔法が全く変わってくる。あまりに複雑すぎて体系化は困難を極め、親子の間でさえも伝わらない場合もある。ただ、全ての根の民が生まれながらにして会得している魔法として「魂の継承」が存在する。目の前の大切な人に対し自分の持つ魔力と魂の力全てを継承して自らは朽ち果てる、というもの。継承した者は魂の力が増幅(実質的に復活上限の増加)したり新たな力に目覚めたりする。自らの死を悟った者が子孫に対し行うことが多い。

鉄の民.png
牙の民.png
根の民.png

【春夏秋冬の街】

 この世界には四季が存在せず、「春」「夏」「秋」「冬」とは街の別名として、またはその街のイメージに由来する例えなどに用いられている。人々は4つセットであることは分かっているが、どんなものなのかよく分からず使っている。

 「街」とは世界の支配種族たる人間族の領域であり、最大の統治単位(この世界には「国」が存在しない)である。

→春=ホーニス=穏やかさ、安定、芽生え(始まり)

→夏=イルマイト=賑やかさ、急変、興奮

→秋=フォンタナ=閃き、見通し

→冬=キョウロウ=冷たさ、温かさ、厳格さ、柔軟さ

【村、郷など】

 街以外の人間の居住地域。

​【竜堂】

 4つの街に置かれている施設。人間達の世界と竜の世界が唯一接している場所であり​、始まりの竜はこの場所を介して行き来する。

【知識と歴史の置かれるところ】

​ ホーニスとイルマイトの間に聳え立つ巨大な山。通称「知識の山」

 山と言うよりは周囲が切り立った崖になった台地である。竜霊協会の本拠地で、入山や整備に関し異常なまでに厳格な制限が設けられている。

 許可の無い者が入れないのは勿論、協会が定めたもの以外に道を作ることは一切禁止されている。万が一にでも禁を犯してしまうと、岩盤さえ貫いた奈落の底か星さえ見えない空の果てに磔にされ、リスポーンさえ許されず二度と元の世界に帰れなくなると伝えられている。噂に尾ひれがついているだけと言えばそうもなるのだが、事実、過去にあの山に触れて以降歴史から姿を消した者が幾人か居る。

【人間達のお金】

 商業団で製造されており、現在流通しているものは以下の5種類。

 銅貨→銀貨→金貨→白宝貨→翠宝貨

 各貨幣50枚で上位貨幣1枚分になる。また、各貨幣10枚分の価値になる「大銅貨」「大銀貨」なども存在する。日本円に換算するなら最小単位の銅貨1枚が10円程度。つまり翠宝貨1枚で約6250万円。

 因みに白宝貨はダイヤモンド、翠宝貨はエメラルドに由来し、貨幣の中心にはそれぞれに似せた人工の水晶体が埋め込まれている。白宝貨および翠宝貨を入手する際にはこの水晶体を用いた帰属手続き、使用や換金を行う際には移譲手続きが必要になる。

【咎の印】

 読んで字のごとく咎人であることを表す烙印。通例顔などの目立つ場所に焼き捺される。正義と狂気、両方の視点を持つ裁定団が、その人の言動に正義を認められないと判断した際この印を用いる。この場にいない者について言う場合、つまり指名手配する場合には「咎の旗を上げる」と言い、各地の竜霊協会傘下施設にこの印が描かれた旗が掲げられる。

【組織】

【竜霊協会】

 この世界のありとあらゆる真実を収集管理し、この世界の殆どの「仕組み」を掌握、決定する。言い換えるなら政府であり、支配種族たる人間を統べる者、開拓の精霊の代弁者、即ちこの世界の最高意思決定機関。しかしその運営の実態は多くが謎に包まれており、吟遊詩人達に「暇と知識と世界を持て余し弄ぶ酔狂共」などとも揶揄される。

 構成員は、ウルノ、ドゥーシャ、トリア、クァッド  、クィンク、ゼクス、セプト、オキオ、ヌエと名前の付いた9人の「管理者」を中心に総計50人足らず。言わば選りすぐりの中から選りすぐった各種オタクが集った集団で、特に管理者達は抜群の変わり種である。管理者同士で意思疎通はできているものの何故かほぼ常に喧嘩腰。白銀、赫鎚、黒天秤、蒼儀球、黄輪、紫羽根を統括管理する。

 「知識と歴史の置かれるところ」を本拠地とする他、フォンタナに「審議舎」と呼ばれる施設を持っている。構成員の一部はもっぱらここに滞在しており、傘下組織から持ち込まれた各種案件について審議し、然るべき処置を取る。

【防衛団「白銀(シロガネ)」】

​ 治安維持を担う一団。キョウロウに本部を置く。民衆の命の安全を守る為に武器を持つ。日本で言う警察と自衛隊を兼ねたようなもの。各地の砦に派兵しモンスターの動向を監視したり、街への人の出入りを管理したり、旅人や調査団の護衛についたりする。訓練の過酷さで知られ、個人の戦闘技術は勿論のこと、集団で戦闘させれば誰と組んでも機械のように一糸乱れぬ連携を取るとまで言われている。その実ただの戦闘狂との噂もある。定期的に団内の諸技術の向上を目的とした大会、通称「白刃大会」が開かれており、一般に公開される決勝大会はキョウロウの一大イベントとして毎度注目を浴びている。

【調査団「赫鎚(アカツチ)」】

 未開拓地域やネザーに赴きその実態を調査する一団。最大のネザーゲートが発見されたイルマイトに本部を置く。その地域の植生、生息する動物やモンスターの傾向、ナチュラの性質など、収集する情報は多岐に渡り、未開拓地域の危険度は主に彼らの調査報告を元に決定される。ネザーゲートの管理も行っており、ネザー調査専門グループ「赫瑠璃」と言えば泣く子も黙る恐ろしさで有名。無言の腹パンはしない。

【裁定団「黒天秤(クロテンビン)」】

 争いごとの鎮静を義務とする一団。フォンタナに本部を置く。秩序の番人とも言われ、彼らの「最終裁定」は何人たりとも覆すことは出来ない。裁定に「善」「悪」という言葉を用いること、一方のみを罰しもう一方のみを許すということの2点をタブーとしている。いわゆる喧嘩両成敗を団の理念としており、衝突する双方の話を丹念に聞いた上で、双方の処遇をそれぞれ決定する。

 団のシンボルマークで、右側にあるのは正義の象徴たる太陽、左側にあるのは狂気の象徴たる月であり、瞳が描かれているのは裁定人が常に両方の視点を兼ね備えていることを意味している。

【研究団「蒼儀球(アオギキュウ)」】

 人間族の進歩を支える一団。ホーニスに本部を置く。ありとあらゆる知識を用い、或いは掛け合わせて、些細な謎にさえ解を求めて日々邁進する。

 合言葉は「見聞のタペストリー」。研究者ギルド、医療ギルドを擁し、縦横に糸を編み合わせて完成するタペストリーのように、様々な分野の知識を編み合わせ連携させることをモットーとしている。が、自分の研究成果を横取りさせまいと研究者同士で孤立しがちなのが現状である。

 近年では、新たな分野に挑もうとする若手研究者達が互いに手を組むこともあるようだが……

【冒険団「黄輪(キリン)」】

 人間族の一歩先を目指し冒険する一団。イルマイトに本部を置く。防衛団と調査団の機能の一部が民間に委託されたことに端を発し、比較的(と言っても100年近い歴史がある)新しい組織である。各地に点在する冒険者ギルドを総括し、方々から寄せられる依頼の管理、必要に応じて各団との連絡などを行う。

​ その生い立ちから「雑用団」とあだ名されるが、団長はそれにすら誇りを感じているという。単なるドMかと聞かれれば「否定しがたい」とは彼の付き人の談。

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